海外住み女の頭の中

好きなヒト・コト・モノだけを自分のために書く

国境のない世界と理想郷

f:id:blue-cactus:20200429080237j:plain
(マルタ コミノ島 2019年12月)


世界に国境がなければどこの国へ行くだろう。


あ、国境がないから国と呼ぶのはおかしいか。
文化的違いのある場所という意味で。

違いはあっていいと思う。

差別でなければ。


私は気候の暖かい、
海と太陽がある南の島に行きたい。


そこは何人とか関係なく
何の宗教であっても忌み嫌うことなく
自由に生きられる楽園。


ビザも滞在許可証もいらない。

書類に不足はないだろうかと心配したり
終わりが見えないお役所仕事にやきもきすることのない場所。


性別や肌の色、髪の毛、目の大きさで差別されることなく、

「ありのままでいいんだよ」

と肯定してくれる場所。


「あなたの文化に興味があるから
 今度教えてよ」

と気軽に言える関係。



そんな理想の平和の世界に向けて舵を切った船は、
蓋を開けてみれば、
出港地向かって
ものすごいスピードでUターンし始めている。


忘れ去られた歴史を
また繰り返す。


先人たちは

「間違いを認めて、学びなさい」

と言っていた。


その人たちの声も
もう届かない。

この世にいないから。


どんどん声が小さくなっていく。


理想の世界に向けて走る人たちを

「そうはさせるか」

と引きずりおろす大人たち。


何を恐れているのだろう。


他人を非難することで、
話題をすり替える。


自分とごく一部の周りの人だけの利益を守ろうとする。


それに踊らされていることに気が付かず
普段の自分自身の個人的な鬱憤を
他人で晴らす人が群がる。


誰かを傷つけることで、
自分自身を守り抜く。


自分は正しい、これが正義だと。


現実では
ここ数年、
船は理想郷からどんどん遠くなっていっている。


国境の壁の数を増やし、
より高く、
より頑丈に仕上げていく。


出港地に逆戻りする船から理想郷を振り返る。

理想郷は小さな粒になり、
ほとんど見えなくなってしまった。



それでもいつかきっと
理想郷に辿り着きたい。
何年かかるのかはわからない。


あなたにとって理想郷はどこですか?


(コロナ禍前の3月頭に書いた文章をほぼ修正せずに敢えて投稿しました)